核医学(RI)検査
核医学検査とは
核医学検査は微量の放射性同位元素(Radioisotope:ラジオアイソトープ)を含んだ”放射線医薬品”を用いて、病気の診断を行う検査です。
放射性医薬品は、投与後しばらくすると目的とする臓器や組織に集まるように作られています。そのため目的により使用する薬剤が異なります。注射を行い、しばらくすると、目的とする部位に薬剤が集まり、薬剤が十分に集まったタイミングで、撮影を行うことで画像を得ることができます。
放射性医薬品にはたくさんの種類があるため、一概には言えませんが、その多くは体内で利用される物質に似せて作られています。そして、薬剤がどの程度、目的とする臓器・組織に集まるかは、これらを構成する細胞の機能に大きく依存します。そのため、目的の臓器・組織へ集積する薬剤の程度から、生理学的機能や代謝能を知ることができます。
機器紹介
Siemens社製 Symbia Evo Excel
上下に対向して2つの検出器を備えており、この検出器を使い、ガンマ線を捉え、画像を描出します。また、ガンマ線を検出するシンチレーターには、高密度な素材である単結晶ヨウ化ナトリウムを使用しており、ガンマ線を効率よく検出することができます。
検査画像
1. 脳血流シンチ
放射性医薬品を静脈より投与した後、40分程度、頭部の撮影を行います。脳を細分割した部分ごとの血流量を数値化し、健常者と比較することによって脳血流量の変化を把握することができます。
2. 心筋MIBGシンチ
交感神経異常の診断が目的で、特にパーキンソン病、又はレビー小体型認知症の評価などにも利用されています。静注後の早期像と3時間後の後期像の2回の撮影になります。それぞれの撮像時間は5分程度です。
3. 線条体シンチ
脳の一部である線条体に選択的に集まる薬を使用することで、線条体機能が正常に保たれているかを知ることができます。パーキンソン症候群やレビー小体型認知症の診断の早期診断や鑑別診断に有用です。静注後3時間後に30程度の撮影を行います。
4. 骨シンチ
骨代謝を画像化することで、骨にできた腫瘍の有無やレントゲン等では見えにくい骨折などを診断します。静注後2時間30分後に30程度の撮影を行います。より良い画像を得るため、前処置として検査直前に排尿し撮影を行います。
5.ガリウムシンチ
炎症を起こしている場所や、腫瘍のある位置を診断します。注射後2日ないし3日後に撮影を行います。より良い画像を得るため、前処置として、撮影前日に下剤の服用をお願いすることがあります。