チーム医療
栄養サポートチーム(Nutrition Support Team(NST))
栄養管理は、患者さまそれぞれの症例・病態によって、必要とする栄養量や栄養素・摂取経路も異なっているため、栄養管理はそれぞれの患者さまに応じて適切に実施しなければなりません。それぞれの患者さまの栄養状態の把握とそれにあわせた適切な栄養管理を行うことが栄養サポートであり、栄養サポートを実施するチームが栄養サポートチーム(Nutrition Support Team(NST))です。
NSTは、医師、管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、事務部などの多職種によって構成され患者さまの栄養管理を担っています。平成19年からは、日本静脈経腸学会認定のNST稼動施設として活動しています。
NSTは、患者さまの栄養状態の改善を図り本来の治療効果を高めることを目的として、以下のような活動を行っております。
- 栄養管理計画並びに栄養サポートの実施
- NSTラウンド・NSTカンファレンス(毎週一回)
- 栄養サポートに関するコンサルテーション
- 経口栄養・経腸栄養並びに中心静脈栄養剤等の適正な使用に関すること
- 栄養管理評価マニュアルの作成並びにスタッフ教育
- NST勉強会開催
- 栄養サポートに関する調査・研究
- その他、栄養サポートに関すること
熊本再春医療センターNSTは、栄養管理計画書を導入し、患者さまの入院時栄養スクリーニング(主観的包括的評価:SGA)・栄養状態の評価、並びに、栄養サポートを行なうと共に、主治医又は看護師が「患者さまの栄養状態に何らかの問題がある」と判断して、NSTに栄養サポート依頼があった場合には、直ちにNSTが患者さまの詳細な栄養アセスメントを実施し栄養状態の評価検討を行い、適切な栄養補給法を提案し、主治医と共に患者さまの栄養状態の改善を図ることを目的とした医療チームです。
感染症コントロールチーム(Infection Control Team: ICT)
安心、安全で、良質な医療は、検査や手術といった診断や治療手技の充実だけでは、達成できません。病院で生じる恐れがある様々な感染症(いわゆる院内感染)を未然に防ぎ、万一の場合には、迅速かつ適切に対応するのが感染症コントロールチーム(ICT)の役割です。市中におけるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、PRSP(ペニシリン耐性肺炎球菌)などの耐性菌の増加が問題となってきており、また新型インフルエンザ感染が危惧される中、今後は、院内のみなならず、地域における感染対策、住民の健康問題に関して、より一層取り組んでいます。
緩和ケアチーム(Palliative Care Team:PCT)
緩和ケアとは、生命を驚かす疾患に伴う痛みを初めとする身体のつらさ、気持ちのつらさ、生きている意味や価値についての疑問、療養場所や医療費のことなど、患者さんやご家族が直面するさまざまな問題に対し援助する医療のことです。(日本医師会がん緩和ケアガイドブックより)
当院では、平成19年3月に緩和ケアチーム(PCT)が立ち上がり活動をしています。その後、平成22年度には熊本県指定のがん診療連携拠点病院の認定を受けました。メンバーは、腫瘍内科医をはじめ、外科医、麻酔科医、管理栄養士、 看護師、薬剤師、理学療法士,MSWなど他職種によって構成されています。
がんと診断された方やご家族に対する苦痛緩和を目的とした医療チームです。さまざまな苦痛症状に対処し、ご希望に応じて個別面談も行っておりますので、いつでもスタッフへお尋ね下さい。
医療安全パトロールチーム(Safety Patrol Team(SPT))
当院では、各部門の代表者で構成される医療安全管理部会が医療安全推進のため、様々なチーム活動を行っています。SPTは医療安全管理部会の活動の一環として、多職種から成るメンバーで各部門のラウンドを行い現場の医療安全対策の実施状況や、マニュアルの遵守状況の確認、スタッフ教育などを行っています。また、ラウンドでの新たな現場の問題については、ともに考え改善策の検討をしていきたいと考えています。
職員一人一人が医療安全文化の向上を推進し、患者さまから信頼される安全な医療の提供ができるように努力していきます。
呼吸ケアサポートチーム(Respiratory Support Team(RST))
当院では、神経難病の病棟や呼吸器センター等人工呼吸器が常時約80台稼働しています。
RSTでは、多職種によるチーム医療を推進し、人工呼吸器装着患者さまを中心とした安全で適切な人工呼吸器管理の実践と、院内の呼吸療法・呼吸ケアのレベルアップを目的として活動しています。
週1回のラウンドを通して、新規人工呼吸器装着患者さまの人工呼吸器管理状況の確認や長期人工呼吸器患者さまの定期的な人工呼吸器管理の実践状況の評価及びスタッフ教育などを行っています。
また、人工呼吸器装着患者さまのレスパイト入院についても、入院時の設定の確認やベッドサイド環境の確認などを通して在宅との連携にも協力していきたいと考えています。
その他の活動
- 定例カンファレンスの開催:毎月第1・3金曜日の15:00~緩和ケアチームラウンド及びカンファレンス
- がん診療等検討委員会:3ヶ月毎に定例カンファレンスの内容などを報告
- 院内勉強会の開催:年3回、全職員を対象とした院内外の講師による研修会を実施
- 院外に向けた緩和ケアの普及活動:緩和ケア研修会の開催
- 研究活動:日本緩和医療学会、日本がん看護学会、日本看護研究学会など